下鴨神社、糺の森に行って来た【京都ぶらり旅】




 

前回【瑠璃光院へ行って来た【京都ぶらり紀行】

 

貴船神社にて絵馬を二枚描き、瑠璃光院にて門前払いをくらった彼が次に降り立ったのは出町柳駅だった。

鴨川デルタ

東から流れる高野川と西から流れる加茂川の合流する鴨川三角州「鴨川デルタ」。

休日にもなれば学生やファミリーで賑わう市民憩いの場である。京都の大学生カップルは夕暮れ時にこの鴨川デルタのほとりでイチャイチャする事を生業としているらしい。なんてこった。

鴨川デルタの飛び石は映画やアニメなどでも度々登場する事から、京都の聖地巡礼地の一つとしても名を馳せている。「鴨川ホルモー」や「パッチギ」の撮影地としても有名だ。また京都アニメーション製作のモンスターアニメ「けいおん!」のオープニングにおいて、主人公たちがこの飛び石を使って川を渡っており、オタク界隈における鴨川デルタ熱はこれを期に急上昇したと推測される。

「ガチでカシマシNever Ending Girls Talk!!」

彼はあずにゃんになった気持ちで飛び石を軽快に飛んだ。当時は赤いマスタングを買おうかと本気で悩んでいた彼であるが、結局のところはリッケンバッカーを弾いている。OP、ED、挿入曲だけでは飽き足らず遂にはキャラソンまでギターで耳コピしていたあの当時を思い出し、彼は感傷に耽るのだった。ギー太に首ったけ!!!!

鴨川にはゆるやかな流れと共に鴨も流れている。

彼は川沿いをぷらぷらと歩きながら「どこかに黒髪の乙女はいないか」とあたりを見回す。あろうことか、爺さんか婆さんしかいない。

「黒髪の乙女どころではない、白髪の老婆しかいないじゃないか」

彼は絶望した。京都には「大和撫子」という言葉を擬人化したような、清楚で容姿端麗な黒髪の乙女が数多く生息していると噂に聞いていた。噂は所詮、噂だったということなのか。彼は深く悲しみ、絶望した。イヤホンから流れるASIAN KUNG-FU GENERATIONの「荒野を歩け」「迷子犬と雨のビート」が彼の痛んだ心をやさしく包み込むのであった。

鴨川のほとりをふらふらしているうちに、彼は下鴨神社へとたどり着いた。

神はいるが、紙は無かった。

「う○こがしたい」

神々の根城に足を踏み込んで間もなく、彼は便意を催した。
人の家に来た途端に「ウンコしてえ、トイレ貸して」と言って来る友人をあなたはどう思うか。
ましてや彼は下鴨神社の神とは友人でもなんでもない、赤の他人である。下鴨神社の神様は彼のことをひどく失礼な男だと認識したに違いない。しかし便意は消えない。

彼は神社に足を踏み入れ、真っ先にトイレを探し回った。

そして辿り着いたトイレ。彼はそこで用をたした後で、驚愕の真実を突きつけられる。

「トイレットペーパーが無い」

貴船神社への徒歩30分、瑠璃光院の拝観不可、それらに匹敵する脅威が彼を襲った。

神社に来て運を高める前に、トイレでウンがついたままになっている。非常にまずい。

「俺が欲しいのは運気であってウンコではない。ふざけんなクソ!クソが拭けねえ!」

そういえばトイレの入り口でポケットティッシュの自動販売機を見かけたような気がするが、彼は慌てていたのでそこまで注意深く見ていなかった。

彼は必死に考える。

このままウンをつけたままで神社をうろつけば恐らく神の怒りに触れて運なぞすべて持っていかれてしまう。ウンだけ残って運は無くなる。それはまずい。できればウンだけ無くなって運に来て欲しい。

しかし不幸中の幸いか、彼のリュックには一つのポケットティッシュが入っていた。
スボラな彼が自発的にそんなものを用意するはずがないので、恐らく街中で配られたものをリュックに入れたままにしていたのだ。これが功を奏した。彼はどうにかウンを取り払う事に成功したのである。

彼はこの事件を後に「下鴨神社の奇跡」と呼ぶようになった。下品なので評判は悪い。

下鴨神社にて参拝

正式には「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」と言う。

京都は鴨川を中心に町づくりされていて、鴨川の下流にまつられているお社というところから「下鴨(しもがも)さん」とか「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」と親しみを込めて呼ばれているそうだ。地元の愛され神社っぽくて非常に良い。

下鴨神社には有頂天家族の展示があった。かわいい。

この下鴨神社にはお社がたくさんあり、縁結び、美麗祈願、お祓いと多岐に渡ってご利益が期待できる。

彼も「病床に伏した妻へ何か買って帰らぬわけには行くまい」とお守りを購入した。

「これで病が治らない場合は神様が未熟であり、妻を置いてきた俺の責任はちっともない」

修学旅行生が大盛り上がりを見せるその傍らで、彼は一人「水占い」をした。25歳愛嬌の無い男が一人で水占いを買う事に、いったいどれほどの勇気が必要であろう。それは彼以外知る由もない。

結果は「中吉」。中途半端な彼らしい結果だ。

糺の森を抜けて帰る阿呆

彼はそれから糺の森(ただすのもり)を通って帰った。

糺の森は世界遺産であり、下鴨神社境内に広がっている。
ここで開催される「下鴨納涼古本まつり」は名作「夜は短し歩けよ乙女」にも登場する。

「ここで「ラ・タ・タ・タム」を獲得したら黒髪の乙女に会えるのか」

そんな妄想も空しく、気づけば緑に囲まれた道の端まで来てしまった。

間もなく11時である。彼は減ったお腹でも満たそうと再び鴨川のほとりを歩いて行った。

 

続く・・・北野天満宮へ行って来た【京都ぶらり旅】




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トラベルライター&ブロガー。旅行会社で副店長の順風満帆な生活をぶん投げて、大冒険の日々を送っています。26歳。最近は体型がジャイアンに近付いていることに危機感を感じている。