真夜中の伏見稲荷神社へ行って来た【京都ぶらり紀行】




 

前回【先斗町へ行って来た【京都ぶらり紀行】

貴船神社で二枚の絵馬を描き、瑠璃光院で門前払いをくらい、下鴨神社でウンを払い運を祈願し、北野天満宮で牛を撫でた彼は金閣寺・銀閣寺で御朱印を手に入れて夕飯に先斗町を練り歩いた彼は、旅の目的である「京都で狐と会う」を達成するために夜中の町を歩く。

 

京都NO1のインスタ映えスポット「伏見稲荷大社」

「ここに行かずして京都旅は終われない」

今や外国人観光客に人気の観光スポットランキング1位を取りつづけている「伏見稲荷大社」。

日本人にとって、もっとも身近な神社といえる「お稲荷さん」。このお稲荷さん系列の神社は全国に30,000社あるといわれ、全国各地で老若男女を問わず親しまれている。そして、その総本宮こそがここ、伏見稲荷大社である。お稲荷さんの頂点に君臨するのがここ伏見稲荷大社なのだ。

今や超人気スポットとして日中から人でごった返している伏見稲荷だが、明るいうちでもどこか妖艶な雰囲気に包まれている。

「明るいうちからこんなに不思議な雰囲気なのだ、夜になったらきっともっとすごいはずだ」

彼は京都の狐を探しに真夜中の伏見稲荷大社へと踏み込んだ。

繰り返し、真夜中の伏見稲荷大社だ。

真夜中に参拝するなんて神様から嫌われそうである。

 

深夜23時の伏見稲荷大社

そこは思ったよりも不気味だった。

阿呆みたいに連なった鳥居は日中でも十分に不気味だが、夜ともなれば一際ヤバイ。闇に浮かぶ朱色はとてつもない異世界感を放つ。違う世界への入り口なんじゃないかと錯覚する。

伏見稲荷大社は24時間開いているので、真夜中でもちらほら人影があった。真夜中に参拝して鐘を鳴らす者もいた。遠くからシャラシャラ鳴る鐘の音に怯えたのは言うまでもない。

山の奥へと進むに連れて人の気配は希薄になっていき、千本鳥居を抜けた先にはもはや人っ子一人いなかった。

道の途中でカップルが「怖い怖い、やばいやばい」と曳き返していく。しかし彼はいつもと同じような足取りで山の奥へと進んでいった。

「あれ、けっこう大丈夫だ」

心霊スポットやおばけ屋敷をこよなく嫌う(苦手)な彼だが、何故か恐怖はなかった。伏見稲荷大社のぶっとんだ数の鳥居と、それにより生み出された異様な光景、この非現実的な状況においてむしろアドレナリンが沸いているようだった。たった一人、スマホと財布のみを身にまとい彼は飄々とした様子で山の奥へと歩いた。

「どこのブログでも「夜の伏見稲荷は泣くほど怖い」等と大げさに綴られていたが、あれは言いすぎである。こんなもん別に夜道を歩くのと大差ない。むしろ楽しい」

ちなみに一般的には「めちゃくそ怖い」と恐れる人の方が圧倒的に多いらしい。

彼はちょっと頭がいかれているので恐怖を感じていなかったが、このブログを読んで「怖くないなら行ってみようかな♪」等と画策するのは早計だ。実に良くない。

①夜は暗いので危ない。
②妖怪がいるかもしれない、遭遇しようものならきっと命は無い。
③妖怪どころか鬼まで出るかもしれない。鬼殺隊は京都にはいない。炭治郎は助けに来てくれないので命が惜しければ行かないほうが良いかもしれない。

「一人はオススメしない。友達とでも行くべし。自分が他の人から妖怪扱いされるぞ」

山へと望む前の道で彼は生まれて初めて「ひいいい!」と叫び声をあげられた。
暗闇を歩く彼は、冴えないただの茨城県民である。納豆と干し芋をこよなく愛している。

どこまで行けど鳥居が続き、目の前には闇が待っている。それでも何故か進みたくなる。行き着く先に何があるわけでもないが、彼は先へ先へと向かった。このままどこまでも行けそうな気がした。それこそ異世界にでもトリップしてしまいそうだった。

 

とはいえ疲労に負ける阿呆

・・・5分後

「疲れた、どうして俺はこんな真夜中に山を登っているのか」

鳥居に囲まれた非現実感にも少しずつ慣れてしまい、急に疲れがドッと出てきた。

「「どこでもドア」はないのか。俺を部屋に飛ばしてくれ。「どこでも鳥居」でも良い、どこかに無いのか」

彼は文句と屁理屈を語らせたら一流だ。自分の意思で山を登ってきたはずなのに一人でぶつぶつと文句を垂れ流し始める。真夜中、鳥居と闇、そこで一人ぶつぶつ文句を垂れる男、このシチュエーションだけでもう既に怪談のようだ。

そしてどこにも狐がいない。

狐の像はあったが肝心の本物は見当たらない。

「京都に来て狐に会う」。当初なんとなく掲げたこの目的は、遂に達成することが出来なかった。

「そもそも登山など俺には合わんのだ」

道半ばにして挫折した彼はとぼとぼと元来た道を戻った。
その途中で、彼は出くわしてしまった・・・。

猫に。

3匹ほどの猫と出会った。真夜中の邂逅である。夜23時過ぎに山の中、鳥居に囲まれた道で猫と出会った。恐らく観光客慣れしているのだろう、全く逃げるそぶりを見せない。それどころか付いてくる。

「なんてかわいいんだ」

ニャーニャー言いながら歩みを共にするにゃんこ。

狐には会えなかったが猫には会えた。しかも今日は「2/22」猫の日である。猫ラーメンは食べられなかったが猫には会えた。これで良しとしようじゃないか。

 

闇の鳥居通りを猫を従えて歩く男。
もはや彼自身が怪談の類のようだった。

 

続く。




2 件のコメント

  • 頑張れ頑張れあばばさん!
    折れることはないと思うけど
    あばばさんの心が折れることはない!

  • あばばさんは長男だから頑張れるぞ!!!!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    ABOUTこの記事をかいた人

    アバター

    トラベルライター&ブロガー。旅行会社で副店長の順風満帆な生活をぶん投げて、大冒険の日々を送っています。26歳。最近は体型がジャイアンに近付いていることに危機感を感じている。